宇佐市安楽院と宇佐公通

宇佐市森山の安楽院

宇佐八幡大宮司宇佐公通(きんみち) 
国東半島の歴史と大きく関係する宇佐神宮。1400年以上に及ぶ歴史の中で大きな力を持ったのが大宮司宇佐公通(うさきんみち)だ。源平合戦の時代、平清盛の娘を妻に迎え平家とつながることで九州一円にあった宇佐八幡(や弥勒寺)荘園の守護を図る。神官の身でありながら豊前の国司をつとめるなど大きな権力を持った。また救民事業として駅館川に(大分県最古といわれる)平田井堰を築いており、現在でも安楽院の横を灌漑用水が流れる。

安楽院は宇佐平野を東西へ走る農免道路(県道629)のそばにあり現在は曹洞宗寺院となっている。かつては公通の館としての平城「森山城」であり、平家や安徳天皇の都落ちには受入れ先となったといわれる。
山門を左へ向かうと大きな(高さ2mぐらい?の)五輪塔がある。公通の墓(供養塔)で江戸初期の建立。
a0166196_13504466.jpg

境内の少し先にある十三重塔は安徳天皇の供養塔といわれる。
a0166196_13574715.jpg

おごる平家は久しからず・・・。平氏に反旗を翻した緒方三郎惟義(おがたさぶろうこれよし・宇佐宮緒方庄の荘官)らによって宇佐神宮、弥勒寺は焼き討ちにあう。
その後平家滅亡により宇佐公通は危機に瀕するも源頼朝より贖罪のための代償として八幡宮や弥勒寺金堂の造営を課される。
# by jinashi | 2010-08-16 14:27 | 国東半島あれこれ | Comments(0)

田染荘小崎の農村景観

田染荘小崎シンポジウム  8月7日(土)~ホテル清照
豊後高田市の「田染荘小崎(たしぶのそうおさき)の農村景観」がこのたび国重要文化的景観に選定された。
大分県では「日田市小鹿田焼の里」についで2番目となる。
田染荘小崎地区は奈良時代から開発がはじまり、鎌倉時代には宇佐神宮権大宮司永弘家の次男栄重(ひでしげ)が荘官として尾崎屋敷に入り尾崎氏の娘と結婚し私領を増やす。永弘文書にはその当時から現在まで時空を越えてほぼ完全なかたちで圃場や集落の遺構が残っており、現在では国内に4000ほどあったという荘園ではここだけだ。
高度成長期に圃場整備の話を機に実態調査を始める。以降住民の皆さんと粘り強く話し合いをすすめる。
この度の国選定に合わせて市、市教育委員会主催のシンポジウムが開催された。
午前中に行われた現地説明会に参加する。

「ほたるの館」で地元郷土史研究者の河野さんのお話を聞く。
a0166196_8562515.jpg

集落へと歩いて移動する。前の岩屋は鬼が住んでいたという魔所の間戸岩屋。
今日も朝から暑い。
a0166196_8584567.jpg

永弘文書にある為延屋敷の説明を聞く参加者。
a0166196_92012.jpg

市内の「ホテル清照」へ移動してシンポジウムに参加する。
小崎の保全に当初から係ってきた別府大学教授の飯沼賢司先生の講演(基調報告)を聞く。
a0166196_9183188.jpg

小崎では景観保全や都市住民との交流のため2000年より荘園領主(水田オーナー)を募集している。現在120人が領主となっており御田植祭や収穫祭などの交流イベントに参加している。
# by jinashi | 2010-08-12 09:24 | 国東半島あれこれ | Comments(0)

赤川登山口

a0166196_15252552.jpg

くじゅう遭難慰霊碑復元と80回忌法要
 久住山(1787m・8回目) 扇ケ鼻(1698m・4回目)
6月17日の大分合同新聞東西南北にくじゅう遭難慰霊碑のことが書かれ80年前の遭難のことを知る。昭和5年8月11日、沢水(そうみ)本道登山口より登った当時21歳の若者2名が猛烈な嵐に出会い寒さと飢えで遭難死した。1年後に旧友や縁者たちによりその場所に慰霊碑が建立される。この新聞記事をきっかけに台座から脱落倒壊した慰霊碑を見つけ出した大分市の「山のいで湯愛好会」の山男たちがパイプや角材、ジャッキなどの重い機材機具を運び上げ700kgほどの石板碑を人力にて台座に戻す。
そのことを再度東西南北で知り加藤会長さんや挾間さん、高瀬さんなど愛好会の皆さんの男らしさとやさしさと結束力行動力に感激する。さらに愛好会が現地にて80回忌法要を執り行うことを知り参加させていただくこととする。遭難したのは筑前木屋瀬(現北九州市八幡西区)の人で九大医学部学生だった廣崎秀雄氏と友人渡邊邦彦氏。九州で初の山岳遭難死、それも真夏とあって当時話題になったようだ。

吉兆か!?・・・朝の虹。(やまなみハイウエイ飯田高原あたりから)
a0166196_1536091.jpg

今日は赤川登山口から入山する。すこし厳しいが静かで良いコースだ。2006年7月16日以来4年ぶり2度目のコースで前回と逆周りで久住山への直登コースに入る。7時26分。
a0166196_1544267.jpg

大分大学工学部の登山道浸食防止開発の実験地となっている登山道。
a0166196_15373756.jpg

久住山の岩場を見上げる台地へ出る。山頂まであと一時間ぐらいかな? ここからは大石の多い急坂を両手をフルに使って登って行く。
a0166196_15383372.jpg

山頂に上がると高校生の団体が賑やかだ。山頂温度計は16℃。久住町方面からガスが湧いてくる。
a0166196_15403975.jpg

稲星方向へ進み南登山道の神明水を左折して池の小屋方面に進む。ガスで方向感覚がなくなり後から来たおじさんについていって池の小屋へ上がる。そこから新聞にあった方向(西方に240mほどの標高1748mピーク)へ進むと小雨交じりのガスの中に人だかりがあり法要の準備をされているようだ。
a0166196_15421729.jpg

碑の大きさは縦130cm、横200cm、厚さ15cm。石板上部に梵字のキリーク(阿弥陀如来)が刻まれている。阿弥陀様により浄土へとお導きいただくために刻んだものであろう。 前で記念写真。
a0166196_1612214.jpg

開式時間の11時前になって雨脚が強くなり法要は池の小屋の中で行うこととなる。小屋の中には50名ぐらいが参列。先ずは主催者「山のいで湯愛好会」の加藤会長さんがあいさつと経過報告。
a0166196_16134623.jpg

白水寺法華院第二十六代院主弘藏岳久氏(法華院山荘主人)が読経と全員が焼香。碑文の説明があり、最後に現存する渡邊氏の弟さん(81歳)から3日前に届いたという手紙が挾間さんにより朗読されて閉式となる。
a0166196_16143618.jpg

池の小屋を後にして星生崎下非難小屋で昼食をしていると夕立が通り抜ける。初秋の花々が咲き群れる扇ケ鼻に上がる頃には晴天となってくる。山頂から一気に下って無事赤川に下山する。14時50分。
(下山途中で左扇ケ鼻、右肥前ヶ城を振り返る)
a0166196_16163597.jpg


この法要は多くの山を愛する仲間が集いこのくじゅう連山の大自然に対して畏敬の念を感じながら今後も安全な山登りを楽しむことを再確認するためでもあった。
ちょうど11時の開式時刻に降った雨は廣崎、渡邊両氏の魂の涙だったのかもしれない。
参加した皆さんはきっと満ち足りたそして暖かい気持ちとなって下山されたことだろう。
下山したあとはすっきりと快晴の夏空となった。
「山のいで湯愛好会」のみなさん、ありがとうございました。

                           ママコナ
a0166196_1619356.jpg

                          イヨフウロ
a0166196_162087.jpg

                          シモツケソウ
a0166196_16203514.jpg

                          マツムシソウ
a0166196_1621845.jpg

                          イブキトラノオ
a0166196_16214864.jpg

                           ノギラン
a0166196_16221697.jpg

# by jinashi | 2010-08-08 21:23 | 大分県の山歩き~くじゅう山系 | Comments(2)

 「神社の格式について」  講演 ~ 宇佐神宮権禰宜 丸山信一氏
豊後高田市田染文化財教室の平成22年度ふるさと学校公開講座があると聞いて田染公民館へと出かけた。60人ほどの受講者が熱心に耳を傾けた。
現在、全国には8万の神社があり、その中で旧官國弊社は224社あるそうだ。
分類すると官幣大社が65社、国幣大社が6社、官幣中社23社、国幣中社47社、官幣小社5社、国幣小社50社、それに別格官幣社といわれる28社だ。官幣社は天皇が勅使を派遣する皇室尊崇で天皇家との関係の深い神を祭る神社。国幣社は国が祭事を執り行う神社で国造りに功績のあった神や偉人を祀っている。
あくまでも戦前の神社格付けだがいまでも〈旧〉をつけてよく使われているようだ。
その官幣大社65社の29番目に宇佐神宮がある。豊前国一の宮で全国4万4千社と称する八幡社総本宮だ。10年に一度皇室から勅使を迎える臨時奉幣祭が執り行われる。次回は平成27年。その日にちは天皇が決めるそうだ。
また延喜式の式内社における大分県の神社には宇佐神宮のほかに大分の西寒多(ささむた)神社、柞原(ゆすはら)八幡宮、佐賀関の早吸日女(はやすいひめ)神社、竹田の健男霜凝日子(たけおしもごりひこ)神社、湯布院の宇奈岐日女(うなぎひめ)神社、別府の火男火売(ほのおほのめ)神社があり歴史ある社格を持っているといえる。
各地の神社にお参りするときにはその格式を知ることも歴史学習の視点となるだろう。ちなみに先日お参りした阿蘇一の宮の阿蘇神社も旧官幣大社だった。また伊美別宮社は近代社格制度における旧県社だ。
全国の旧官國弊社を巡っている人も多いようだ。
a0166196_15102537.jpg

        権禰宜の奥様はここ田染の人だそうだ。
# by jinashi | 2010-08-06 15:14 | 国東半島あれこれ | Comments(0)

俵山峠

俵山(たわらやま・1095m)  熊本県南阿蘇村
  九州百名山 ~54座目
おんばれ祭りも終り今が一番暑さの厳しい時だ。この季節になると世界一のカルデラ火山阿蘇の大景観を見たくなってくる。未登の俵山や五岳の烏帽子岳、杵島岳を目指そう。
小国辺りからは雲の多い空模様だ。立野の阿蘇大橋を渡ってR325から県道28の旧道へ入りクネクネ登ると俵山峠駐車場に着く。7時15分。まだだれも居ない。西風も強く霧で視界が悪いので車中で天候の回復を待つ。風力発電のプロペラの風きり音らしきが聞こえる。
a0166196_13491785.jpg

2時間ほど朝寝?をして待ってみたが天気も変わらないので登山靴をはき始める。前回の延岡の鉾岳もこんな天気でこのところお日様から見放されている。舗装路を歩き始めると風力発電のプロペラが力強く大きく回っている。すこし肌寒い。9時5分。
a0166196_13512680.jpg

3基目プロペラの先から山へと入る。
a0166196_13522358.jpg

急坂の樹林帯を25分ほど登ると天が明るくなってフラットになり展望所からの道と合流する。晴天ならばここからは阿蘇連山が望めるはずの所だ。霧の中を山野草の花を楽しみながら進む。
a0166196_135447.jpg

荒れた丸木階段の急坂を登る。きつい登りを上がると再度ゆるやかなアップダウンの路となる。
a0166196_13563079.jpg

左に崩壊地を見てまもなく足元に石がゴロゴロしだすと山頂部へ高度差100mほどの急坂が始る。相変わらずの西よりの風とガスで視界が狭いうえに雨がぱらつきだした。
a0166196_13572278.jpg

喘ぎながら上りきると左に護王峠からの道と出会う。右直角に僅かにくだり気味に行くと広々とした3等三角点の山頂に着く。11時3分。本来ならば絶景が楽しめるところだがガスで視界はない。
a0166196_1358048.jpg

山頂写真のあとすぐに下山する。
a0166196_135845100.jpg

団体さんなど数組とすれ違う。丸木階段コースを避けてらくらくコースを下り樹林帯コース分岐はまっすぐ進む頃にはすこしガスが晴れてきて見通しがよくなってくる。
a0166196_1401310.jpg

滑りやすい急坂を慎重に下れば前方に南阿蘇の町並みが見えてくる。振り返れば山腹も見え出した。
a0166196_1412341.jpg

展望所へと下りるとなんとたくさんの風力発電プロペラが連なり回っている。その数なんと10基!
12時28分、駐車場へ下山。
a0166196_1424156.jpg

下山後麓より見た俵山。まだ山頂部はガスがかかっているようだ。
a0166196_1414749.jpg

10年ほど前に行った「一心行大桜」へ立ち寄る。周りはパークゴルフ場となっており入場料をとるようになっている。
a0166196_14145733.jpg

白水村から阿蘇パノラマラインを登り阿蘇五岳の烏帽子岳を目ざすも草千里一帯はガスで視界が無く登山は中止とする。
阿蘇駅前坊中の「夢の湯」に浸かってすこし昼寝。400円也。
阿蘇神社にお参りして帰路に着く。素晴らしい楼門だ。
a0166196_14171791.jpg

                         コオニユリ
a0166196_1418622.jpg

                        オトギリソウ
a0166196_14183917.jpg

                       アソノコギリソウ
a0166196_1419496.jpg

                         シモツケ
a0166196_14193298.jpg

                        ホタルブクロ
a0166196_1420012.jpg

                        オカトラノオ
a0166196_14202738.jpg

                       カワラナデシコ
a0166196_14205551.jpg

                       サイヨウシャジン
a0166196_14212322.jpg

                       ホソバシュロソウ
a0166196_14214915.jpg

# by jinashi | 2010-08-03 22:55 | 熊本県の山歩き | Comments(0)