復活した台風12号が九州西を北上中で不安定な予報だが、朝から梅雨が明けたようないい天気だ。
今日は「おもと古道」から御許山を登ろう。
これまで御許山へは宇佐市正覚寺(お手軽30分コース)や西屋敷(車で楽ちんコース)から登っている。
おもと古道は古くから宇佐神宮の神職たちが歩いて御許山へ登り、大元神社で修行をした宇佐神宮発祥の道という。
2013年秋に国東半島峯道ロングトレイルへ続くコースとして宇佐観光協会の皆さん達によって整備、開通している。
御許山(おもとさん・647m) 大分百山・5回目御許山は古代から霊山として知られ、山頂部の大元神社は宇佐神宮の元宮といわれている。宇佐には「宇佐に参るなら御許(おもと)に参れ 御許もと宮もと社(やしろ)」という盆踊りの口説きもあるほどで、宇佐神宮の奥ノ院として厚く信仰されている。
早朝から地区清掃作業があり、家を出たのは8時すぎ。
宇佐神宮球場駐車場からスタート。9時ちょうど。ここの標高≒10m。
台風の影響か・・・蒸し暑い。
大きな石灯篭から大尾山(おをやま)へ入る。
石段を登ったところにある大きな石碑「和気公之碑」。揮毫したのは東郷平八郎。大正4年の造立。
大尾山は「道鏡事件」の舞台となったところ。
右手の護王神社へ。
御祭神は和気清麻朝臣命。神護景雲三年(769年)七月十一日、和気公は宇佐使として当地に参向「我国は開闢以来君臣の分定まれり、天津日嗣は必ず皇儲をたてよ。無道の者は速やかに払い除くべし」という八幡大神の御宣託を受け、道鏡の野望はくじかれ皇統が守護された。山上の摂社大尾神社付近は神託を受けた旧蹟である。(説明板)
カーブした砂利道を登った先にある摂社・大尾(おを)神社。
御祭神は八幡大神。八幡大神は奈良の都の大仏開眼式に臨まれ、宇佐へご帰還ののち、天平神護元年(765年)この大尾山にしばしの間鎮座するとの御宣託により山上に本殿を造営、十五年間お鎮まりになった。この間、神護景雲三年(769年)七月十一日和気公は「宇佐使」として当地に参向、皇統を守護する宣託を受けられた。大神が本宮へ還御されたのち神勅拝受の聖蹟として八幡大神の御分霊を祀り、大尾神社と称された。(説明板)
大尾神社前より森へ入る。
ここから順次おもと古道の標識(U1・U2・U3コース)がつけられている。
大元神社を往復すると14Kmほどか・・・。
森を抜けて作業道?へ出る。
六地蔵の板碑。梵字が地蔵を表す。
人は死後、生前の行為の善悪のいかんによって「地獄・畜生・餓鬼・修羅・人・天 」という六道の境涯を輪廻、転生するといわれ、それらを衆生救済するために「檀陀・宝印・宝珠・持地・除蓋障・日光」の六地蔵を墓地の入り口などに配した。
舗装道となる。
宇佐の市街地が望めた。
延々と舗装道を歩く。
クサギ?
丁石。
大鳥居から大元神社拝殿までの参道に一丁(町)(≒約109m)ごとに立てた道標。貞和六(1350)年のものが2基、寛政三(1791)年のものが7基残っている。(説明板)
葛の花
金水引
ミゾソバ
ネジバナ
早くも毬栗が
風に吹かれて・・虫のハンモック
やっと大元神社入り口へ着く。歩き始めて1時間30分。
段が彫られた自然石からの山道はまさにおもと古道。
?マダラ蝶?ペア。
硯石。
古来よりここで武内宿禰命(たけのうちすくねのみこと)が御許山参拝者の人数を数えているといわれ、この大岩は命が用いる硯が変化したものとされています。(説明板)
硯石のすぐ上が中山展望所。
和尚山や稲積山など宇佐の山々が見える。
緑陰の中は風も通らず蒸し暑い。緩やかな登りでも帽子の庇から汗が垂れ落ちてくる。
手水鉢。参拝者が穢れを払った・・。
首なし地蔵。明治の廃仏毀釈で首を打ちおられた・・。後に丁石もある。
急に暗くなって大粒の雨が落ちてきた。あわてて雨具をつける。
階段状の荒れた参道を登る。
御許六坊跡を進む。修行僧の住居があったところ。
ウバユリ
社務所から大杉横の苔むした参道を登る。古代から多くの人々が参拝に登ったことだろう。
御神木の大銀杏が見えて・・大元神社へ到着。ちょうど昼の12時。 ここを山頂とする。
大元神社は、御許山の9合目にあります。宇佐神宮の第二殿に祀られている「比売大神」の原姿とされる三女神がこの御許山に降臨したとされ、山全体が御神体と言われています。大元神社には拝殿はありますが、本殿はありません。奥に鳥居があり、その先が禁足地となっていて、山頂には三女神が依代として降臨したという3個の巨石が祀られています。・・・・(ツーリズム大分HP)
奥宮へ参拝して拝殿で雨宿り&おやつタイム。
毎年4月29日には大元神社大祭が行われている。今年は参拝した友人から撒かれた紅白餅をもらった。
依然として降り続く雨の中へ下山開始。
境内社の大元八坂神社周辺には祠や岩屋、石造物など見どころも多く、数年前にNHK文化センター「八幡文化を訪ねる旅」に参加して探訪した。
大元神社登山口まで戻ると雨もあがって陽も照ってきた。ここから長い舗装林道を歩いて戻る。
舗装林道を1時間ほど歩いて自然林へ入るとホットする。大尾神社へ戻る。
宇佐神宮球場へ無事に下山。
長い舗装林道歩きがつらいところもあるが、地元の熱意で復活した「おもと古道」は歴史遺産の見どころを繋いでいました。
大元神社から宇佐神宮、馬城の旧道(豊前街道)から宇佐駅近くの両戎山(後山金剛峰寺薬師堂)、津波戸山などを経由して熊野磨崖仏へと「国東半島峯道ロングトレイル」につなげるコースも検討されているようです。
宇佐神宮球場駐車場9:00→9:13大尾神社→9:27六地蔵板碑→9:59丁石→
10:30大元神社登山口→10:59硯石→11:01中山展望所→11:21手水鉢→
11:37首なし地蔵→11:49御許六坊跡→11:59御許神社(御許山山頂)12:16→
13:00大元神社登山口→14:09宇佐神宮球場
●登り=約3時間 下り=約2時間
(GPSマップ)