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じなしの山歩記と国東半島ミュージアム

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第2回国東半島エコツアーガイド学習会~夷谷コース・その1 2011・12・24

12月16日に引き続いてエコツアーガイド学習会の現地学習会が上香々地の夷地区で行われた。
(夷地区)


エコツーリズムとは~
 自然環境の他、文化・歴史等を観光の対象としながら、その持続可能性を考慮するツーリズム(旅行、リクリエーションのあり方)のことである。エコツーリズム推進法が成立し2008年に施行された。 エコツーリズムを具体化したツアーをエコツアーと呼ぶ。またツアーにおける情報提供をガイダンス(インタープリテーション)という。(Wikipediaより)
国東半島はエコツーリズム推進法のイズム(精神)にふさわしいエリアだとじなしは思っています。そしてガイド人が学習会を重ねることが国東半島の地力アップに通じることと信じています。

今回は地元の香々地町元教育長で郷土史研究家の芳本清一郎先生に講師役としてご参加いただきました。(先生が山友会O会長の従兄にあたることからお願いしました)こちらからはいつものメンバーのありさん、とみさん、いっちゃん、O会長、じなしが参加。青鬼さんと某社長のM野さんも参加していただきました。夷楽庭社に集合して最初に自己紹介。青鬼さんから本日のコースをザーと説明していただきました。

五柱(いつはしら)大明神
最初に向かったのは西狩場の五柱社というところ。
ここは尻付山・はじかみ山の登山口となるところでじなしも何度も訪れている。6年前に初めて来た時には人家の住人に登山口を尋ねたのだが現在は無住地区となっているようだ。
右手に鳥居があって額には「五柱大明神」とある。
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社殿奥の岩屋に前を板で隠すようにして五体の白い石造神像が安置されている。
祭神は思穂身命、天彦根命、天雅日命、沿津日子命、熊野久須毘命。
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社殿横の岩壁に不思議な感じでくっついている丸い岩に古い注連縄がされている。
昔、火事が出た時この岩がジャンジャン鳴りだし皆に知らせたという。そこから俗称「釣鐘岩」というそうだ。また大晦日には風もないのに「クオークオー」と音を立てたので、人々は神様が喜びの声を発しているのではと言い伝えられている。ゆえにこの地区を釣鐘狩場と言われる。
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五柱社の横には薬師堂があったようだ。岩崖に祀られている薬師様と弘法様。
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解説をしていただいた芳本清一郎先生。
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一石六地蔵と仁王像
道路を挟んで五柱社の反対側の民家の裏へ回る。墓地にある舟形一石六地蔵。
さまよう死者たちに救いの手を差しのべて地獄の苦しみから解放してくれる。
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上部へと自然石の階段が続き1対の小さな仁王像が上部にある石殿の祠を守っ
ている。何の神を祀っているのだろう。石灯篭には文政元年(1818年)とある。
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兄弟割石(きょうだいわりいし)
西狩場地区にある兄弟割石。
  割石のそばで猟をしていた人が突然いなくなった… 
  すみかにしようとして入った獣が見えなくなった…
「人も獣も中にはいると出口がわからなくなる」と言われている。
2006年から西狩場地区の人達により立派な注連縄が張られるようになった。
今年はこの18日(日)に張られたばかり。同じような割石が東狩場の六所神社前にもある。
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注連縄張を終えて公民館の門松を立てたら夕方から地区の忘年会が行われる。
地域の絆となるすばらしい行事だ。
よく見ると岩肌から仏様が浮き上がっているようにも見える?
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横岳観音堂
兄弟割石から東の舗装路を上にあがったところにある木浦松観音堂。縁日にはお接待が出されている。
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お堂の中にすこし腹をつきだした仁王像。
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お堂の近くに一字一石供養塔が倒れている。もう一つの台座は猛禽供養塔のものらしい。
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梅ノ木磨崖地蔵尊
東狩場から西狩場へ通ずる道のかかりに梅ノ木磨崖仏がある。駐車場で芳本先生から概要を聞く。
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100mほど入って擬木階段を登ったところの岩壁に地蔵菩薩、左に比丘像、右に比丘尼像2体が彫られている。地蔵尊は仁聞菩薩像とも言われているが?
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廻りにある19基の磨崖五輪塔。
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線彫りの連碑は21基。
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かつては地区の講により百手(弓矢で魔を射る)行事が行われていたようだ。

堂園刻線板碑と磨崖五輪塔
中山仙境登山口近くの民家(板井てる子さん宅~じなしの同級生)から入ると五輪塔が整然と並んでいる。(車庫を建てるとき移設した)その先の石段を上がった場所には宝篋印塔や五輪塔が荒れぎみに立っている。その背後にある2つの岩面に梅ノ木と同じような連碑が線刻されている。両方で50ほどあるようだが風化して判りにくい。昭和28年県指定文化財。
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真ん中にお大師様。左に観音菩薩、右に薬師様が祀られている。ここにも薬師堂があったのかもしれない。
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周辺には磨崖五輪塔や梵字(わかりにくい)などがあちこちに刻まれている。
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中山仙境登山口には石造文化財が林立している。「三界万霊塔」「回国供養塔」「庚申塔」など。この地区には江戸時代から石工の板井一門が活躍していた。一門の弟子たちは板井法橋という名をいただき近隣に多くの石造物を残している。
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てるちゃんからお茶を誘われて遠慮なく家へ上がらせてもらう。次から次へとご馳走でもてなしてくれました。てるちゃんありがとう!
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(かに)庚申塔
てるちゃん宅から少し上った道路横の高台に立つ庚申塔。江戸時代の作。一面六臂の青面金剛に三猿、二鶏、一夜叉。手には三叉戟、蛇をもっている。
そして台座に蟹(かに)が彫られている。(向かって左下の台座に)
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一説では隠れキリシタンのものだという。
~ザビエルがマラッカ(マレーシア)ではしけが座礁したとき、蟹が船底に空いた穴に自分の甲羅を押し当てて浸水を防いだ…。またはザビエルが嵐を鎮めようと投げた十字架を蟹が運んでくれた…。など蟹はクリスチャンにとっては神聖なもののようだ。

    その2へ続く ⇒
by jinashi | 2011-12-29 10:32 | 国東半島あれこれ | Comments(0)