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じなしの山歩記と国東半島ミュージアム

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古要(こよう)神社の傀儡子(くぐつ)舞い  2011.10.12

 古要神社

中津市伊藤田の古要神社に伝わる古要舞(傀儡子(くぐつ=木で作った人形)による舞)と神相撲(傀儡子による相撲)が奉納された。
3年に一度(10月12日に)執り行われるこの神事は1983年、国の重要無形民俗文化財に指定されている。
観光ボランティアガイドのありさんときよさんを誘って見学に出かけた。じなしは3度目の見学となる。

奈良時代に朝廷の命により隼人の反乱の平定に向かった豊前国の軍が、戦場で傀儡の舞を演じて隼人の気を引き、その隙に乗じて隼人の軍を攻めたことに由来するという。その後「隼人の霊を慰めるために放生会(ほうじょうえ)をすべし」との八幡神のお告げにより蜷(にな)や貝を海に放つ「放生会」の祭典を執り行うようになった。
毎年秋の宇佐神宮仲秋祭で行われている放生会には、かつては藻寄川河口に傀儡船が出て舞が奉納されていたようだ。

傀儡子の集団は操り人形による人形劇を行いながら諸国を旅してまわったことから人形浄瑠璃や能楽さらには歌舞伎などの旅芸人のルーツともいわれている。

古要神社に向かう途中、宇佐神宮ちかくにある「凶首塚」に立ち寄る。隼人から持ち帰った100人の首を葬ったといわれるところだ。
6世紀末の横穴式古墳で言い伝えとは時代が違うともいわれるが、一種異様な雰囲気がある。
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そして宇佐神宮西参道沿いに隼人の霊を祀る百太夫殿が造立された。向こうは呉橋前の西参道大鳥居。
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現在の「百体神社」(宇佐神宮の末社の一つ)。
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百体神社から300mほどの所にある化粧井戸。放生会に参加する傀儡を洗ったという。
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化粧井戸から車で30分ほどで中津市伊藤田の古要神社に着く。
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境内や拝殿は多くの見学者や報道関係者であふれかえっている。ありさんと報道関係者の足元に入り込んで場所を確保する。
市長さんも到着してさっそく笛、太鼓、手打ち鐘の神起こしが鳴り響き傀儡の舞が始まる。間もなく18時。
まずは御祓神が登場。
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獅子頭と小豆童子が出てきて舞台の東西に控える。
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このあと次々と神人形が登場する。三三七拍子に似た囃子にあわせて体を左右上下に振る。
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磯良神。
笛太鼓が止んで舞台の奥から傀儡子の祝詞が聞こえる。
神功皇后が海を渡るとき、海の道を熟知する海人・安曇の磯良を呼び出すと、磯良は長く海中にいたため牡蠣殻がこびりついた顔を恥じて白布で顔を隠してあらわれた。という故事にちなんだのが「細男舞」と言われている。
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細男神。
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50分ほどで神事の舞が終了するといよいよ傀儡による神相撲が始まる。
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次第に人形の数が増えてきて体も大きくなってくる。
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カチカチと傀儡がぶつかる音が響く。
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最前列に並んだ小学生の声援が飛びます。
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勝った祇園さまのガッツポーズ。
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いよいよ住吉さまの登場。色は黒く体は小さいがダントツの強さ。
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30分間ほどの神相撲の熱戦?も住吉さまのガッツポーズで終了。
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隼人の兵が油断するほどの神相撲の面白さもあるが、厳かな神事に始まり長い伝統を感じる。大人の太鼓と手打ち鐘に合わせて少年が吹く笛の音色はすばらしかった。
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同じような言い伝えと傀儡の神事をつづけているのが吉富町の古表神社。
こちらの傀儡舞は4年に一度おこなわれる。
by jinashi | 2011-10-13 13:33 | 国東半島あれこれ | Comments(0)