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じなしの山歩記と国東半島ミュージアム

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若松港レトロまち歩き  2018.9.9(日) 



今年も小倉の西日本総合展示場で開催されたR社健康フェアに出かけた。
OTC医薬品、介護用品、健康器具、スキンケア、健康食品、生活雑貨、育児用品など多くのメーカーが出品していた。
トレンドはやはり「健康寿命アップ」かな・・・



会場を後にして、かつて石炭積出港として栄えた若松港を訪ねた。
母の生まれ故郷でもある若松だが、どんな町なのかほとんど知らない。

若松には戸畑の若戸大橋下から若戸渡船で向かうことにした。
日曜日なので渡船場前の車道脇に駐車することができた。
1962年(昭和37年)9月に開通した若戸大橋は、全長627m、高さ84.2mのつり橋で当時東洋一の大きさと言われた。中学生だったじなしは父に連れられて見物に行き、この橋に上がったことを覚えている。
現在は歩道は無くなって車道だけとなっている。56年が経過して今年12月から通行料は無料となるようだ。
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11時26分発「第18わかと丸」の乗客は4人。日曜日の昼間だからこんなものだろう。
渡船の運賃は100円。日中は4~5便(1時間あたり)が運行されていて通勤通学などの重要な足となっているようだ。
幅数百メートル・長さ10キロメートルほどの細長い洞海湾では橋とトンネルと渡船が共存しているのがわかる。
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高度成長期の工場汚染により「死の海」とも言われた洞海湾だが、長年にわたって官民の浄化作戦により水質が改善され、今ではきれいな海が戻っている。海面をイナ(ボラの若魚)が飛んでいた。
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洞海湾を横切って2~3分で対岸の若松乗船場に着いた。
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整備された若松南海岸通り。
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レトロな建物が並ぶ。
大正2年建築の上野海運ビル。100年以上経つ。
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旧古河鉱業ビル。
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石炭会館。中にきれいなパン屋がある。
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石炭会館前にある「ごんぞう小屋」。
ごんぞうとは石炭を船から陸への荷揚げ荷降ろしを行う沖仲士(おきなかし=港湾労働者)のこと。 ここは、ごんぞうたちの詰め所(旧ごんぞう小屋)。
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歩み板の上を天秤棒で石炭を運ぶごんぞう。
母の父(じなしの祖父)もごんぞうだったと聞いている。
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海上保安庁船係留所?
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今は新しい若松駅。
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JR筑豊本線起点駅。終点は桂川駅。日中は無人駅のようだ。
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筑豊炭鉱と若松港を結びかつて石炭取扱量日本一を誇った。
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腹が空いたので駅前の「とらや」に入った。
「ねぎぶたソース味」500円。
ちょうど昼時で4人の店員はてんてこ舞い。
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シャッター通り(日曜日だったから?)の商店街を抜けると古い料亭があった。
現在も営業している料亭「金鍋」。国登録有形文化財。
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明治28年創業。牛鍋の店。芥川賞作家火野葦平(1907~1960年)も常連客だった。
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その火野葦平が暮らした旧居「河伯洞(かはくどう)」を訪ねた。
※河伯洞=河童の棲む家
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「河伯洞」を管理されているのは葦平の三男玉井史太郎さん。
その奥様?から邸内を案内していただいた。
玄関の式台に造られた亀の彫り物。
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廊下は蝦夷桜の一枚板。
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「花と竜」のモデルとなった父親・玉井金五郎と子供たち。
長男の葦平は本名玉井勝則。
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文才のある人は絵も上手だ。
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葦平が睡眠薬自殺?した2階の書斎。
机の上にある自筆の色紙には・・・
「 足は地に 心には歌と翼を ペンには色と肉を 」
何となくわかりそうな気がしないでもない?
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葦平の本を読んでみたくなった。



母が生まれ育った若松の街を少しだけ歩いた。

かつて重化学工業の中心地で日本の産業経済をけん引してきた洞海湾も、今は市民が憩う海辺の公園通りとなり住宅地へと変身しつつある。
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若松側から洞海湾越しに皿倉山を望む。
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2012年2月に皿倉山へ登ったときに見下ろした洞海湾の画像。
(拡大します)
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by jinashi | 2018-09-13 13:05 | ドライブ&トリップ etc | Comments(6)
Commented by tozan6411 at 2018-09-13 16:53
jinashiさん、こんにちは。
このところ、週末ごとに天気が悪い為
たまには、街散策も良いですね。
現在は、レトロの街として有名になりましたね。
宇佐神宮に行くと必ず、ネギ焼きを頂くのが我が家の習わしです(笑
Commented by jinashi at 2018-09-13 21:07
tozanさん
子供のおやつ、いや大人の小腹グルメですね。
宇佐のネギ焼や佐賀関のお好み焼き、我が家の近くにも40年前にはおいしいたこ焼きがありました。
ふるさと粉物シリーズとして頑張ってもらいたいです。
ナショナルチェーンの味一色になってほしくないですね。
Commented by へんろみち大将 at 2018-09-13 22:42 x
ココ火野葦平ならぬ火野正平がこころ旅で行ってたので行きたいなあと思っていたところです。レトロというか寂れ感が何とも言えないですね。
Commented by jinashi at 2018-09-14 11:43
へんろみち大将さん
「こころ旅」はいつも楽しみに見ています。
若松版は見損ないました。
火野正平の芸名は池波正太郎が名付けたようですね。
火野葦平の子説は年齢からあり得ないでしょう。
Commented by トトロのとなり at 2018-09-18 23:22 x
山登りだけでなく、こんな街歩きもじなしさんのテイストが出てなかなかいいです。北九州は門司レトロ街区しか行ったことがないですが、行ってみたくなりました。火野葦平は昔からなじみのある名前ですが読んだことがないような気がします。「麦と兵隊」なんて本がオヤジの本棚にありました。「糞尿譚」や「花と竜」などは青空文庫で無料で読めますね。
Commented by jinashi at 2018-09-19 09:21
トトロのとなりさん
火野葦平は私の父親とほぼ同世代のようです。
映画「花と竜」は5度?製作されていて、高倉健主役時にはただのやくざ映画として学生時代に新宿で見たような気がします?
村田英雄の演歌「花と竜」も良く知らないで聞いていました。
時代や町の背景を知ると、今では違った見方ができそうです。
若松の街には人々が勢いよく行き交う様子が偲べました。