伊美地区歴史遺産ウオーキングコース作り① 2016.2.11(木・祝)

NPO国東半島くにみ粋群では国見町内の魅所を歩くコース作りをしている。
①ペトロカスイ岐部神父記念公園をスタートしてキリシタンや石造文化財遺産、景色の良い海岸を歩く岐部・熊毛地区ウオーキングコース
②千灯寺をスタートして大不動岩屋、五辻不動尊を周回、現代アートも楽しむトレッキングコース
①②はどちらもすでにオープンし、ウオークイベントも実施されている。

今日は3番目のコースとなる伊美地区のコース調査で委員のみなさんと現地を歩いた。
予定コースには石造文化財や農業遺産、シシ垣や禁教キリシタン遺産など見所が多い。

午後1時にB&G海洋センターに集合、出発。
最初のポイントは本城公民館にある石造役行者。すぐ近くの山中にある行者堂が古くなったのでここへ移された。前鬼、後鬼も一緒。
a0166196_12354048.jpg

新たに建てられた本城十王堂。こちらも近くのお堂が古くなって最近ここに移された。 
a0166196_12361523.jpg

十王は地獄の裁判官。脱衣婆(だつえば=身剝婆)もいる。2段目の右から2番目。
a0166196_12363439.jpg

本城水口へ向かう。
a0166196_12365895.jpg

水路の出口へ。
山向こうの後野溜池から350mほどの素掘りトンネルで伊美の谷まで引いた用水路だ。
a0166196_12373083.jpg

手掘りで大変な作業だっただろう。それでも当時の土木技術はなかなかのもの・・・。
a0166196_12382372.jpg

東中にある「鹿嶋高一光義塔」。伊美地区は、農業用水不足のためにたびたび干害におそわれて困っていました。とくに、1872~1873年は、収穫がまったくない状態にまでなり、人々は飢餓に苦しみました。そこで、東中地区の鹿嶋高一さんは戸倉伝蔵さん、桐畑源蔵さんの2人に相談をして、ため池づくりの計画を立てました。1878年に工事は始まり、なんと26年もの歳月をかけてつくり上げたのです。その後、何度も台風に襲われましたが、1952年と1990年に2度の修復工事を行っただけで、今でもたくさんの水田がうるおされています。(「わたしたちの国東市」3.4年生副読本より)
解説する前東中区長の田中さん。
鹿嶋高一は上後野溜池(と水路)の新設や元伊美小学校(伊美浜中川原)や伊美村登記所などを建設している。
a0166196_12391655.jpg

少し上にある庚申塔。「ショケラ」と呼ばれる上半身裸の 女人像の頭髪をつかんでぶら下げている。
青面金剛庚申に注連縄がされているのが面白い。(神仏習合?)
a0166196_1239564.jpg

上後野溜池からは東中水口を出て3か所に水は流れているようだ。田中さん宅横に二番目の水路。
a0166196_12402797.jpg

一番上の水路は東中の最も上部に出て、サイホン方式でオレンジ道路を潜っている。少しでも灌漑面積を増やそうとした先人の知恵。
a0166196_12405932.jpg

東中水口へ向かう途中の阿弥陀堂。 
この近くには鬼籠の円浄寺があった辺りともいわれていて、国東塔など石造文化財も多い。
a0166196_12412923.jpg

東中水口。上後野溜池から400mほどのトンネルが掘られている。
a0166196_1242040.jpg

中をフラッシュ撮影で。
a0166196_12425187.jpg

昭和30~40年代、ミカン園の開拓パイロット事業に合わせてつくられた道を上がると峠に出る。当時は軽トラでも登られたようだが・・今は荒れている。
a0166196_12432485.jpg

峠から降りたところが秋本順子さんによるメタルアートギャラリー「アトリエジュン」。
a0166196_12435693.jpg

「アトリエジュン」の裏山を上がったところにある山神様「おひがし磐座」。一昔前には東中地区の人たちが旧正月行事「百手」の際に神事をしていたようだ。
a0166196_12442979.jpg

櫛来地区の周囲山尾根に長さ12Kmにわたって築かれたシシ垣。古来より岩倉社(櫛来八幡社)の眷属である鹿を大切にしていたが農作物を荒らすので鹿を追い出すために築いたという。享和2年(1802年)に完成し、村人400人が山から海へと鹿を追い出したという。今でも櫛来の人は鹿を食べない。
a0166196_1245167.jpg

近くから姫島の眺望が良い。
a0166196_12454948.jpg

アトリエジュンを少し下ったところの上後野溜池。
1904年(明治37)竣工、灌漑面積12町3反歩。貯水量2万8千トン。
a0166196_12461518.jpg

東中隧道水路の取水口。
毎年、田植前には水路の清掃がおこなわれる。
a0166196_12464776.jpg

後野池の上にある水路トンネル。櫛来地区の山腹からも水をもらっている。
a0166196_12472126.jpg

国見運動公園のすぐ上にある後野溜池。
1830年(文政13)起工。灌漑面積16町歩。貯水量3万2千トン。
伊美小学校時代に遠足に来たところ。
a0166196_12475256.jpg

後野溜池の本城隧道水路取水口。
a0166196_12482654.jpg

両池には隧道水路建設の石碑が建てられている。
こちらは上後野池のもの。(下の後野池石碑は風化が進んでいる)
a0166196_12492698.jpg

B&Gへ周回、予定時間もすぎたので今日はこれまで。櫛来地区の調査は次回に・・・
みなさんお疲れ様でした。
a0166196_12494860.jpg

本日の参加委員。 東中石殿前で。
a0166196_12502555.jpg


(本日のGPSマップ)
a0166196_12505584.jpg

距離≒8Km 累積標高差≒330m
Commented by へんろみち大将 at 2016-02-15 20:48 x
これは凄いですね!
とても興味深いです。

昨日の大分学研究会でも
国見に「ブラタモリ」呼ぼうかと話題になったばかりです。
Commented by トトロのとなり at 2016-02-15 23:19 x
農業遺産巡りコースですね。まだ私も農業用水にハマる段階にはありませんね。やはりお寺や神社のほうがなじみやすいです。でも世界遺産に産業遺産が入るようになってますから今後ブームが来るかも。
Commented by jinashi at 2016-02-16 09:50
大将さん~ こちらの今朝は雪景色でした。
地元に住んでいながらまだまだ知らないところは多いです^^;
禁教キリシタンだけではないブラタモリ級遺跡もありそうです。水路遺跡など先人の苦労の想いが偲べます。
コースが決まったら歩いてみてください。意外なイコモス的掘り出し物?もあるかもしれません。
大将さんの意見、しかと受け止めています!
Commented by jinashi at 2016-02-16 09:56
トトロのとなりさん~ 国東半島が世界農業遺産になって国東市には2か所の「農業遺産ウオークコース」が出来ています。大分県によるかなりの予算措置もあったようです。
最近高千穂も認定されたので宮崎県でもそんな動きもされていることでしょう。
わたしたちは3番目のどじょう、というところもちょっとはありますが、トータルな魅力ゾーンをつないだ健康ウオークコースだと思っています。手作りのコース標識と案内マップぐらいが出来れば・・と思っています。
by jinashi | 2016-02-15 12:51 | 国東半島あれこれ | Comments(4)