「マレガ・プロジェクト」シンポジウム 2014.11.1(土)

豊後キリシタン史の解明が期待されるマレガ神父文書群についてのシンポジウムがあることを新聞で見て臼杵市へ出かけた。
「キリシタン・南蛮文化交流協定協議会」が後援している。

会場の臼杵市民会館。
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開始時には聴講者で満席となった小ホール。
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イタリア人神父のマリオ・マレガ氏(1902-1978)は昭和4年に来日し45年間滞在した。1931(昭和6)年には29歳の若さで大分に着任し、その2年後には正式に大分教会の主任司祭に任ぜられている。大分教区在任期間中(~1950年)に蒐集した1万点余りの豊後キリシタン関係史料は「マレガ文書」といわれ、バチカン図書館に未整理のまま所蔵されていたものが2011年に発見された。

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マレガ神父はそれらの資料を基にして1942年に「豊後切支丹史料」、46年に同続編を刊行している。これまでの大分キリシタン史調査はその2編によるところが大きかったが、今回発見されたものには同史料集未収録の膨大な文書も含まれていて、今後は禁教下の豊後キリシタン史の研究解明が進むと期待されている。
マレガ神父はキリシタン史研究のほか「古事記」イタリア語訳や「忠臣蔵」研究など日本研究者の先駆けでもあったようだ。

2013年11月に人間文化研究機構とバチカン図書館との間で史料の調査・研究協力に関する協定「マレガ・プロジェクト」が結ばれ、2014年2月にスタートした。(プロジェクト期間は2014年2月18日から2020年3月31日まで)
シンポジュウムを主催した「マレガ・プロジェクト」は人間文化研究機構「国文学研究資料館・国立歴史民俗博物館」と東京大学史料編纂所、大分県立先哲史料館、バチカン図書館による共同体。
主催者の人間文化研究機構理事今西祐一郎氏のごあいさつ。
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バチカン図書館長チューザレ・バシーニ氏ごあいさつ。
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中野五郎臼杵市長さんの歓迎あいさつ。
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東京大学史料編纂所の松井洋子氏よりバチカンで発見された経緯や資料の保存状態、現地での調査手順方法や目的などについての説明があった。
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マレガ文書全部21袋の外見。
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史料の内容について大分県先哲史料館佐藤晃洋館長より詳細な説明があった。
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マレガ文書の大部分は1612年、江戸幕府による伴天連門徒禁令以降のものと想定されている。
臼杵藩による宗門改文書。
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最後に意見交換。
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マレガ文書の解明により江戸幕府のキリシタン禁教システムとあわせて藩政のしくみや武士や農民の暮らしぶりなど新たな発見が期待されるという。
今後のレポートを待ちたい。

国東半島各地にも石造文化財などに「隠れキリシタン」といわれる密かな信仰の遺産が多く見られるが、役所や個人宅にキリシタンに関わる文書などが残されているのではないだろうか。
Commented by へんろみち大将 at 2014-11-03 22:04 x
貴重なレポート、ありがとうございます。
是非行ってみたかったのですが所用で行けず
残念でした。

臼杵藩や岡藩についての資料がたくさんあるようですね。
時間かかるようですが解明される日が楽しみです。
Commented by jinashi at 2014-11-03 22:26
同感です。歴史の重みを知るすばらしい神父さんがこの大分の地に赴任されていたことを知り感動的です。大分のキリシタン南蛮文化がさらに発展しそうな予感がします。
by jinashi | 2014-11-03 15:43 | ペトロ岐部とキリシタン史 | Comments(2)