戦国から江戸時代に生きた国東市国見町出身のペトロ・カスイ岐部神父(1587~1639)の功績について考えるフォーラムが「くにさき総合文化センター」で行われた。
最初に竹田市からお借りした「サンチャゴの鐘」が熊毛小学校の生徒たちにより鳴らされる。
三河市長のご挨拶。
三河市長の提唱により今年2月には日出町、大分市、臼杵市、津久見市、竹田市の6市町により「キリシタン南蛮文化協定」が締結されている。6市町が歴史・文化、教育、観光などに連携して取り組み、併せて人的交流も進めていこうとするものだ。
さっそく8月10日には郷土大分の英雄「大友宗麟」を学び、ふるさと豊後を再認識しようと、こけら落としとなったばかりの大分市のホルトホールで「南蛮文化国際フォーラム」が開催されている。
「ペトロ・カスイ岐部フォーラム」は協定による第2弾目ともいえるものだ。
国見ふれあいコーラスによりペトロ岐部のうた「道標(みちしるべ)」(作詞・木下龍太郎、作曲・船村徹)のきれいなハーモニーを聴かせてくれた。
ペトロ・カスイ岐部神父殉教祭ではこれまで25年間にわたってこのうたを歌い続けている。
ペトロ岐部の故郷にある熊毛小学校の生徒たちがこの春就任したバチカンのフランシスコ法王に手紙を送ったところ、法王から感謝のメッセージが届いたのだ。そのことについて5~6年生により発表がある。
上智大学川村信三先生による講演。
演題~「ペトロカスイ岐部 銃と十字架のはざまで」
信念を貫いて生きたペトロ・カスイ岐部の精神を、国東市民としてどう受け継ぎ町づくりに活かすべきか… というテーマで行われたパネルディスカッション。
コーディネ―タ―は国東市歴史体験学習館名誉館長の金田信子さん。
パネラーは講演をされた川村信三さん、2008年の「ペトロ岐部カスイの列福を祝う集い」にお招きしたクリスチャン画家・村田佳代子さん、脚本家の江良至さん、大分学研究会会長の辻野功さん、そして不肖じなしもペトロ岐部の同郷人として参加させていただいた。
江良至さんは今年6月に急逝された映画監督・塩屋俊さんの代理として参加している。塩屋監督と組んでペトロ岐部を主題とした舞台が立ち上がる直前だったのだ。企画は「HIKOBAEプロジェクト」として、塩屋さんゆかりの映画関係者、俳優らがNPO法人を設立して引き継いでいくという。
国東市に定住を予定されていたという…塩屋俊監督のご冥福をお祈りいたします。
最後に創立100年を迎えた上智大学で創部60年の伝統を誇るグリークラブ(男声合唱団)による記念コンサートが行われた。
現役学生11人とあとはOBの総勢43人が一体となった強くて優しいハーモニーを聴かせてくれた。
このフォーラムでさらに多くの人がペトロ・カスイ岐部を知っていただけたことだろう。