中山仙境(無明橋)コース
千年ロマン時空博~おもてなしプラン・国東
大分県北部地域は神代~古代~中世~近世~近代と歴史遺産が数多く残っている。
国東半島では古代に神仏習合の六郷満山密教文化が花開いた。今でもその信仰と修行の場となった山岳では10年に一度峯入り行が行われている。
国東市の山を愛する人々によって始まった国東半島峯道ロングトレイル(以下LT)構想はこの春全国LT協議会(事務局~滋賀県高島LT)から九州、いや西日本初のLTコースとして(全国で9番目の)認定を受け、いよいよこの秋のオープンへ向けて動き出している。
今回、国東半島峯道LTクラブではこの時空博にエントリーし、5月18日(土)と6月1日(土)の2度、国東半島峯道LTの見どころコースを歩くおもてなしプランをつくり参加者をお迎えした。
5月18日は国東市の旧千灯寺~五辻不動にかけての初心者コースで実施済み。
そして今回は豊後高田市夷の中山仙境を歩く中級者コースに定員の10名が参加した。
夷へ入ったところから正面に見る中山仙境。低山だがスリリングなお山で2011年5月に発刊された九州百名山(地図帳)には10年ぶりに復活選出されている。
国東半島内陸部は外部の人には道路事情が分かりづらい。大分からの参加者が道迷いをしてすこし到着が遅れた。予定を20分遅れて夷耶馬農村公園駐車場で開会式。
進行はLTクラブの日浦さん。歓迎のご挨拶は山田副会長。
出発は9時30分。舗装路を歩いて15分ほどで前田登山口へ着く。
夷は江戸時代から板井一門など石工の名工が多くいた所でここにもいろいろな石造文化財が林立?している。
ここから南東に向かって派生する尾根伝いに歩いて行く。
樹林帯の整備された登山路の勾配を緩急繰り返し登っていく。
登山路から少し入ったところでサプライズ! 真玉の猪群山を愛する会会長の山田さんご夫妻によるお接待です。皆さん笑顔になりました。
この辺りから山頂へとお大師様八十八か所巡りが続きます。弘法大師や観音様、不動明王が祀られています。
6~7年前?に倒れた大木の根の穴を抜ける。
いよいよ緊張の時がきました。無明橋を渡る都留さん。ひきつる笑顔^^
無明橋は修験者が煩悩を捨て無の境地となって修業にはいるためのもので、国東半島には5~6カ所あるようだ。
さらに連続する鎖場を進むと山頂(高城)が見えてきた。
山頂直下の鎖場。
標高317mの山頂、高城に到着。
天気男の東部振興局長さん。おかげで時にパラパラ落ちてきますがまだ雨具は要りません。
後に高岩~一望岩の素晴らしい景観がひろがっています。
下りに入ります。やせ尾根の稜線を歩く。
両サイドの下は見ない方が良い。ここは風の強い日は危険です。
南の展望台から黒木山方向の景色を楽しんだら…ここから下りの絶壁鎖場で、過去に滑落死亡事故も起きている。
鎖を伝って無事に隠れ洞で先行組に合流。ここまで着いて一安心。
豊前の宇都宮残党が籠ったといわれるところだ。石垣原合戦へ向かう黒田官兵衛と戦い全員討ち死にしている。その忠魂碑。
全員無事に下山。雨も降るのを我慢してくれました。
兄弟割石の説明をする地元の板井俊作さん。
六所神社の足利尊氏が戦勝祈願して植えたと伝えられた大杉6本は昭和の末に1億4千万円で佐伯の銘木店に売られたという。
幹の部位で出来た衝立、座卓を社務所の窓越しに見学する。
本日のお楽しみは実相院のお接待昼食。
10年に一度といわれる峰入りの2日目にはここで昼食をいただきます。今回、院主青山映信先生の特別なお計らいで峰入りの時の食事をつくっていただいた。
「略食事作法」を全員で読み上げてから…いただきます。
どれを食べてもほんとに美味しい。
食事の後に青山先生の説法を聴く。
先生は現在86歳。若い時にはラクビーの選手で鍛えている。国東六郷満山会会長も務め、比叡山天台宗で行われる大行事ではお得意の書を天皇陛下に献上されている。
先生はかつて大分県習字会長も務めており、半島寺院の山号額やこの地域の石造物、校歌などあらゆるものに書をしたためている。じなしもかつて赤根温泉に3基建立した山頭火句碑やNPO看板等を先生にお願いしている。
実相院で昼食をいただくころから雨脚も強くなってきました。
スリリングな仙境歩きや実相院のおいしいお接待昼食、後藤さんの名刺入れの記念品などみなさん大満足していただけたようです。
下山後、六所神社前で記念写真。(富さん提供)
みなさん、お疲れ様でした。
(GPSマップ~拡大します) 歩行距離≒4.5Km 累計標高差≒±400m
ネジキ
若木に咲くヤマツツジ