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じなしの山歩記と国東半島ミュージアム

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筑豊の山を登る~牛斬山と香春岳(三ノ岳) 2012.1.8

牛斬山(うしきりやま・580m)  
(香春町五徳越峠登山口)

(今日のコース)
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ハッピーマンデー3連休も穏やかな晴天が続いている。
古代朝鮮半島から渡来した秦(はた)氏による八幡信仰の御神体といわれる香春岳(三ノ岳)と、4年前に登った福智山に連なる牛斬山に登ってみよう。
みやこ町からR201の新仲哀トンネルを抜けると石灰岩採掘のため高さは元の半分ほどとなった香春岳(一ノ岳)が正面に見えてくる。R322を北へ向かい採銅所から集落へ入り踏切を渡って道なりに進むと五徳越峠の登山口へ着く。五徳越峠は牛斬山と香春岳の鞍部でここは両山の登山口でもある。

最初に牛斬山へ登る。
いわくありげな山名だがその由来についてははっきりしていないようだ。
ネット情報によると「香春町に問い合わせたところ、ときに「薄霧山」と表記されることもあるそうで、これの訛り+当て字の可能性もあるが確証はない」とありました。

登山靴を履いていたら男性ひとりの車が着く。同じ牛斬山へ登るようだ。
登山口からは最近整備されたような自然木を利用した階段を上がっていく。
ここの標高≒260m。8時35分。
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上がりついたところからいきなり厳しい急坂の防火帯を登っていく。霜の降りた急坂を一歩また一歩と進む。
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後方に三ノ岳が見えてくる。
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何度かアップダウンを繰り返して「ロマンスが丘」分岐に登りつく。しゃれたネーミングだがどんな所だろう。
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右へ向かうと樹間から牛斬山の山頂部が見えてくる。
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急勾配の防火帯の坂を登っていく。けっこうキツイ山だ。
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牛斬峠に上がりついた。
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山頂まで防火帯の登山路は続く。
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福智山へと続く防火帯の分岐を右へ入ると荒れたカヤの山道が山頂に続いている。
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採銅所分岐を過ぎてひと登りで山頂に飛び出す。9時48分。
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冬晴れの下、全方位に雄大な眺めを楽しめる。
竜ヶ鼻から右に平尾台方向。
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福智山方向
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高さが半分ほどとなった香春岳一ノ岳。左は二ノ岳。二ノ岳のはるか向こうに英彦山と3つこぶの鷹ノ巣山。
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この後登る三ノ岳。
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山頂で地元田川のリッチーさんと一緒になりました。自宅から見える筑豊の山に登っているようで山城の研究もされているようです。遠くに見える山名を教えていただきました。
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リッチーさんから撮ってもらった山頂写真。
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一休みしたら往路を戻る。五徳越峠に無事下山。10時59分。
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香春岳・三ノ岳(かわらだけさんのだけ・511m)
筑豊のシンボルともなっている香春岳は一ノ岳、二ノ岳、三ノ岳と南北に連なっている。
その香春岳三山はある会社の所有物となっているようだ。
昭和の初めには採掘前の一ノ岳は492mあったようだが、現在は上半分が無くなって270mの切り株状となっている。二ノ岳も採掘準備に入っているようで立ち入り禁止となっているらしい。
かつてセメント原料として採掘された石灰岩だが、現在一ノ岳で採掘された石灰石はセメント以外の用途に利用するための製品となっているようだ。(太平洋セメント香春工場は2004年に操業停止となり、昨年より工場の一部解体が始まったらしい)

民謡?「炭坑節」の二番に唄われているのは香春岳らしい。
♪一山 二山 三山 超え
  奥に咲いたる 八重つばき
  何ぼ色よく咲いたとて サマチャンが通わにゃ 仇の花♪ 

ちなみにサマチャン=様ちゃん=だんなまたは彼氏のことらしい。
(閑話休題)
その三ノ岳へは牛斬山から下りた五徳越峠の反対側が登山口となる。
一休みして登山口から階段を上がっていく。11時5分。
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上がりつくとこちらも広い防火帯に登山道の踏み跡がゆるやかに先へと登っている。
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「ファミリーコース」と「岩登りコース」の分岐に出会う。先のリッチーさんのお勧めで登りに「岩登りコース」を選択する。
一呼吸入れていると後ろから登ってきた福岡市からのご夫婦と合流する。
お先に失礼していよいよ山へ取り付く。
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赤い矢印に沿って進む。
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石灰岩の岩角や立木を捕まえて三点確保でグングン高度を上げていく。下は見ない。
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足の長さが決め手となる岩登りも山頂部までもう少しだ。
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山頂部肩から振り返ると先ほど登った牛斬山がすぐ目の前に。
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山頂部に上がると石灰岩の大岩が乱雑に並んでおり、慎重に越えたり間を縫ったりして進んでいく。このあたりが最高点のようだ。
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石灰石の大岩群を越えると丸い広場の山頂に到着する。12時8分
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山頂から南に見る二ノ岳。一ノ岳が少しだけ見える。
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麓の採銅所から左へ金辺(きべ)峠あたりを見下ろす。地名も何か歴史を感じる。じなしの町にも岐部(きべ)という地名(姓も)があり紀氏(宇佐・辛島氏)のながれと言われている。竜ヶ鼻の先は小倉市街地。
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昼食をとっていると福岡からのSさんご夫婦も登りつきました。多生の縁とばかりに山頂写真に入ってもらいました。
Sさんはじなしと同じ国見町のご出身。といってもサッカーで有名な長崎県の国見町(現在雲仙市)ですが…。奥様は竹田市のご出身で故郷のくじゅう山が大好きだそうです。何と!持参したこの山のネット情報資料も私たちと同じで、辻本さんの「大分の山・登山記~2007年2月24日」をお互いプリントしてきていました。
登山歴も私たちとほぼ同じくらいの素敵なご夫婦でした。
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下山はファミリーコースを下りる。二ノ岳へも行けるようだが今回はパス。
林道へ下りてから数度大曲がりして下り植林帯へ入る。
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登山時のコース分岐点まで戻る。
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無事下山。13時19分。
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香春(かわる)は「カル」と読まれそれは古い朝鮮語では金属、とくに銅のことをいうらしい。
かつてこの三ノ岳周辺には銅鉱が産出されており、新羅からの渡来人が銅を精製していたという。当時その高度な技術は神として崇められたことだろう。ここで鋳造された御神鏡は中津の薦神社三角池に自生するマコモの枕とともに1723年まで宇佐八幡宮放生会の御神体として奉納された。
奈良東大寺の大仏造営でも、ここから搬出された銅が相当量使われたという。
下山路に立ち寄ったズリネ鉱山跡。ここでも銅を掘ったようだ。
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登山口から少し下ったところにある清祀殿(せいしでん)。ここに鍛冶床が設けられ、銅鉱石は銅に精錬され、銅鏡に鋳造されたという。
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帰路に立ち寄った宇佐八幡宮のルーツともいわれる古宮八幡神社。
香春岳三ノ岳の豊比咩命を祀る。豊比咩命は新羅の王子ツヌガアラシトから追われて朝鮮半島から逃げてきたという。すぐこの近くにはツヌガアラシトを祀る現人神社があるようだ。
古宮八幡神社の拝殿。
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牛斬山登山路の山帰来の実
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採銅所小学校近くの民家に咲く蝋梅。
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by jinashi | 2012-01-10 10:29 | 福岡県の山歩き | Comments(2)
Commented by マイルド at 2012-01-10 20:31 x
今晩は。
冬とは思えない良いお天気に登られたのですね。

これまでの地図に新しい3D地図を加えられてGoodです!
できればこの1.5倍くらいの地図にしていただければ迫力が増すかもとも思いますが・・・よろしくお願いいたします。
今年も良い登山ができそうですね !!期待しております。
遅ればせながら今年もよろしくお願いいたします。


Commented by jinashi at 2012-01-10 23:11
どーも こんばんは…。
まだまだ未完成です。今年も何かとご指導のほどよろしくお願いします。