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じなしの山歩記と国東半島ミュージアム

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イシガトウを訪ねる 11月14日(月)

(国東市国見町大熊毛~向田あたり)

以前行ったことがあるといういっちゃんとイシガトウを訪ねる。
国見町大熊毛のR213から大熊毛公民館横の市道を南へ入る。
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500mほど入ったところを左折する。ここは昔の杵築藩往還道と言われるところだ。ここから北へと熊毛小学校跡あたりから小熊毛のYショップ泉屋横、常光寺前から小江のなぎの浦へと続いていたようだ。
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緩やかに登ってR213から2Kmほどで峠となる。戦後まもなくから向田(むかた)の生徒等はこの道を歩いて熊毛中学校(昭和41年?廃校~国見中学校へ統合)へ通っていたようだ。
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峠を下り始めてすぐの右手に祠が見える。ここが「イシガトウ」といわれるところだ。
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前を旧道のような道の跡か?
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正面から見たお堂。
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隣に山桜の大木があり、下に手水鉢が置かれている。
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お堂内部の木には「一心堂 薬師様」と書かれている。
続く「春主知外信士堂」はこの石碑に刻まれた文のようだ。
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お堂は平成3年に建てられている。建てた人は黒津(国東町)の財前光さん。信仰したおかげで商売がうまくいって財を成したようだ。
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イシガトウを5~600mほど下ると向田の池の近くに出る。ここはじなしの父の生まれたところだ。(この先来浦方面へのルートは調査不足で定かでない)
いっちゃんの知り合いの柗本薫さん宅にお邪魔する。朝顔の種の選別作業中にもかかわらず座敷へ上げていただき、お茶を出してくれた。そしていろいろと昔の話をしていただいた。いっちゃん(左)と柗本薫さん。
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戦前まではこの地区の住人は皆信仰心が厚く、その対象の一つとしてこのイシガトウにも信仰組織(新興宗教)のようなものがあったようだ。当時は熊毛地区への生活道路でもあり、イシガトウの前には小さな茶店のようなものもあったらしい。イシガトウの祠の前には小さな小屋があってお参りの後はそこで一休みしたようだ。
じなしの祖父亀松が寝枕に話してくれた~祝言帰りに峠でキツネに騙された話~はきっとここでのことなのだろう。
四国の宇和島地方では峠のことを「トウ」と呼ぶようで、このイシガトウ=石ケ峠かもしれない。
(日田のyokobabaさんから、blog「愛編むばあばあin宇和島」のみねばあ様がそう言っていると教えていただきました。)
向田の下には「ばくど石」なるカエル信仰の神様もあって「イシガトウ」と同じように信仰の対象となっていたのだろう。
柗本薫さんはじなしの父や曾祖父の石工・池本寛作のことについてもいろいろと話していただいた。
池の横の多賀社鳥居は池本寛作の秀作で各地の石工が見学に来たという。
その多賀社鳥居。明治31年作。
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柗本薫さんはこの御歳にあってまだまだ学習意欲は旺盛です。今、中野幡能氏の「八幡神と六郷満山」を読んでいます。いろいろ知ってくると楽しいそうです。
朝顔の種の選別作業は根気のいる仕事です。
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イシガトウのある峠から大熊毛方向へ下ったところにあるオリーブ畑。地元の建設業者が新規事業として栽培している。4年目となりオイルも採れるようになったようだ。
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柗本さんの話ではイシガトウの上の高いところに立派な風神様(たぶん雨乞いの神様か?)が御座っているという。そのうち調査をしてみましょう!
池から向田の海側を望む。
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by jinashi | 2011-11-16 21:47 | 国東半島あれこれ | Comments(0)